THE GUILTY/ギルティ(2019年2月)
一本バレ有りで細かい感想書き連ねる練習もしたいなぁということで、これ
THE GUILTY/ギルティ
過去の事件が原因で一線を退いた警察官の主人公アスガーは緊急通報ダイヤルのオペレーターとして勤務していた。自身の公判を明日に控えたある晩、かかってきた女性からの通報は彼女自身が誘拐された事を報せるものだった。走る車内には女性と犯人の二人きり、電話の音だけを頼りにアスガーは僅かな情報から彼女を救おうと奮闘する…。
海外レビューサイト「ロッテントマト」で驚異の満足度100%を叩き出したという触れ込みの本作
特徴的なのは映像で描写されるのがほぼ全てオペレータールームの主人公一人だけという点、人物自体は数人居るけれど画面に映るのは主人公と同じ部屋の同僚くらいでほぼ一人芝居だ。
観客は電話の向こうからの音だけで現場で何が起きているのかを頭の中でイメージして楽しむという作品で、低予算ながらしっかりとしたドラマが出来上がっている。
※以下本編のネタバレ含む感想
良かった所
・場面そのものは一転しないのに、二転三転していく展開
・まだまだ聞きたい事があるのに切れてしまう通話へのもどかしさ、苛立ち
・進んでいく状況に対する主人公の焦りが伝わってくる所
・警察だからこそ強く表現できる「罪に向き合う」という点 等
被害者の状況に対して主人公も観ている側も緊迫感が凄くて良かったのだが、それに加えていくら切迫した状況とは言ってもちょっとこの主人公の状態もなにやらおかしくないか・・・?と匂わせる部分もスリリングな雰囲気を作っていて良かった。
特に後半からの通報者=被害者の家に踏み込む辺りのエグさや真相が明らかになるシーンは、通話先の声しか聞こえないのにハッキリと場面が想像できてしまって顔を引き攣らせつつも上手く表現できているなと感心してしまった。
気になった所
・警察官の主人公が犯した「ミス」に関する部分
・合間合間に出てくる関係無い事件
・表の事件と裏の事件がリンクしていくことについて
メインとなる事件の顛末は結構楽しめたものの本作では主人公アスガーに関するもう一つのストーリーが同時進行していてそっちはもう少し何か欲しかったな となってしまいました
終盤、大きなミスを経た後に犯人と対話するアスガーは自身にも「罪」がある事を告白し始めそれを説得に使用することで自身の罪を認めながら幕は閉じるのですが
ちょっと急に自白し始めてビックリしたと言うか主人公の場合と今回の犯人とではちょっと状況が違いすぎないかと思ってしまった事や
主人公の人格そのものが問題であったとするならば合間で乱暴な対応をした別の通報とかが終盤になって致命的なミスとして響いて来る・・・とかあっても良かったんじゃないかな~等々 事件を通して主人公が「罪」を自覚していくにしてはちょっと上手く絡み合ってなくないかな?と感じたかな・・・
まぁメインとなる電話だけが頼りのサスペンス部分はシンプルながらにしっかり出来てたしそこだけで十分楽しめた事は間違いないので中々面白い映画だったと思いま~す
締め方こんなのでええんか?